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第一章 君の光に恋してる! Prologue

 僕には、少々特殊な能力がある。

 自分の人生に関わりのある人に触れると、そこから光が見える。
 友人、仕事仲間、恋人……相手との関係によって、見える光の色も大きさも本当に様々。

 いつも一緒にいる、アイドルグループ『Hinataひなた』のメンバーからは、しっかりと、それでいてやわらかく暖かなオレンジ色の光が見える。

 結成から10年以上経った今でも、時々さりげなく触れては、その暖かな光を確認し、安堵する。
 そして、その度に『なにニヤついてるんだよ?』なんて突っ込まれるんだけれど、いつも適当に誤魔化してる。

 なぜって、このメンバーとまだまだ一緒に仕事をしていられる、という安心感は、裏を返せば、グループが解散なんてことになったとき、『高橋諒たかはし りょう』個人としてやっていくことに、とても大きな不安を感じているということで。

 そんなこと、周りには死んでも覚られたくない。

 もちろん、メンバー以外の人からも、その光が見えることがある。
 アイドルとはいえ、僕もそれなりの年齢(27歳)だから、いわゆる女性関係についてもいろいろとあったわけだけれど。
 光が見えたからといって、相手との関係がうまくいくとは限らない。

 面白い色の光だなと思って付き合ってみれば、たった数週間で急速に光が消えて破局、とか。
 怪しい色の光を持つ女性には、出会って三日後にはその女性との熱愛報道がでっちあげられてた(要するに、売名行為に使われた)、とか。

 せっかくの特殊能力だけれど、実生活においてはあまり役に立っていないというか、活かしきれていないというか。
 はっきり言って、おまけや付録みたいなもののように思っていた。

 そんなある日。
 僕の前に、僕の人生を大きく左右するほど強く、まばゆい純白の光を持つ女性が、突如として現れた。

 ……なんて言うと、少々ドラマチックに聞こえるかもしれない。

 実際には仕事で共演することになったのがきっかけなんだけど、その辺りの詳細はまた後程。

 これは、僕とその純白の光の持ち主――僕の一番大切な女性との、甘くて切ない恋物語だ。
 ただの間抜けな話だと思う人も、いるかもしれないけど。

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第一章 君の光に恋してる!
ころみ堂defrag